社会的弱者で精神疾患も抱えているけど、それなりに一生懸命生きようとしていたアーサーがどう狂気のジョーカーになっていったか、っていう映画だけど、「なっていったか」という能動的な感じより、「そうならざるを得なかった、生み落とされてしまった」という感じ。ホアキン・フェニックスの演技は神がかっていて、過酷な人生にあって、それでも狂気をおさえようとしていたアーサーが、その狂気を解放することを厭わなくなった瞬間をものすごい説得力で表現していました。
はっきりと富裕層と貧困層に分断されたゴッサムで、貧困層が顔を隠してピエロの集団となって暴動を起こしていくところは、香港のデモで学生たちがみんなマスクをしてるのを彷彿とさせて、なんかもうこれはアメコミとかファンタジーじゃなくて社会風刺なのだと思いました。
最初から最後まで、弱者として虐げられるアーサー。終わり方にも1mmも救いがない、容赦のない映画でした。すごいの作っちゃったな、DC。まぎれもない傑作。
* * *
今日のニャンズ:
(だいぶ元気になったウニさん)
(タビ肥える秋、ごはん減らしてるのになあ)
(世話焼きウニ)
0 件のコメント:
コメントを投稿